ヨタ話 | 枚方市、豊中市で防水工事、外壁塗装、外壁補修をお探しならHUGE ART SEAL

背中に「塗人」とプリントされたTシャツを着た職人風の男を見かけた

「ぬりんちゅ」とでも読ませたいのだろう

作業着のあちこちに塗料らしき汚れが付いていたので、背中の文字を見るまでもなく、彼が紛れもない塗装工だと即座に解った

沖縄の言葉で「◯◯人」と書いて「◯◯んちゅ」と読むことが世の中に随分浸透した

「島人」「海人」に倣って「塗人」と、ついにここまできたものである
そこで考えたのが、我々シーリング防水工事業者は一体、「何人(なにんちゅ)」なんだろう
我々の仕事の、基本的な目的といえば、「隙間を埋めること」にある

隙間を埋めて「水が侵入しないように」したり、隙間を埋めて「見栄えを良く」したり、隙間を埋めて「固定」するのである
じゃあ、「埋人(うめんちゅ)」なのだろうか
なんか怖い
「塗人(ぬりんちゅ)」が塗装工であることは容易に連想できそうなのに対し、「埋人(うめんちゅ)」がシーリング防水工であるとは、まず間違いなく誰にも伝わらない
それ以前の問題として先ず、「シーリング防水」がなんたるかを世の人の大半は知らないという悲しい現実がある

つまり「◯◯人」で我々が何者なのかを表現するには大変に無理があるという話だ
そう、シーリング防水業は、残念ながら広くは知られていない
ホームセンターなどで、塗料のコーナーがあるように、シーリング材のコーナーも設置されている

一般の方々も「シーリング材」の存在にはお気付きだろうが、専らそれを扱い生業としている我々「シーリング防水工事業者」の存在まではご存知ない

旧知の友人に自分の職業を言っても、ほぼ分かってもらえない

こうでああで、と何度説明したか知れない
シーリング(sealing)、コーキング(caulking)、シール屋さん、コーキング屋さんと我々は呼ばれる

このどちらでも正解なので、どちらかで呼んで頂ければこれ幸いである
しかし、知名度の低さ故、

「コーティング屋さん」

と呼ばれたことが過去に一度だけある

違う

なんかそれ分かるけど

そう聞こえたんだろうけど

断じて違う
返事してあげない

訂正もしてあげないっ
しかしながら実は、シーリング防水工事は塗装工事に匹敵する重要性を持つのであるからして、世の皆様方にはご認識をお改め願いたい

建築、土木、製造…、ありとあらゆるジャンルにおいてシーリング防水は非常に深く関わっているのである

にも関わらず、これほどまでに我々の職種が世に認知されていないのは何故なのか考えた

おそらくそれは、

とにかく地味で、目立たない仕事だから

だと思う

実は皆様方の周りには、シーリング処置されたものがすごくたくさんあるのだけれど、目立たない故に気付かれない
更にはシーリング防水工事は、他業種よりも静かに工事そのものが執行される

けたたましい電動工具や空気圧工具や重機の音とは、ほとんど無縁である

「あれ？居たの？」と言われることもザラにある

華やかさとか、子どもがなりたい職業ランキングとか、そういうのとは全く無縁である

つまり、施工は地味、そして出来上がりは目立たない

こう書いてて、我がことながら少し悲しくなってきた
しかし、である
この「目立たない」というところ

これぞ我々シーリング防水工事業者の成す仕事の真髄と言える

我々の仕事は、目立っちゃダメなんである
美観を損なうシーリング施工はつまり、目立つ

あたかも何事もなかったかのように、さも元々こうだったかのように、さりげなくシーリング処置を執り行うことは我々の描く理想だ
目立たないが、欠かせない存在なのである

「カッコいい！ぼく、大人になったらシーリング防水職人になりたい！」

っていう子どもたちだらけになる日が、やがて、

…やっては来ないと思う
「目立たないが、欠かせない」というより、

「欠かせないが、目立たない」のだ
悲しくなっちゃうから、もう言わない

とにかく、前向きに頑張るしかないんである

へこたれてちゃいけないんである
だから、そう

「埋める」の他に何かないかと思い巡らせる

思い浮かぶのは「塞ぐ」「詰める」「打ち込む」「充填する」…
どれもピンとこない上に、どういう訳だかどれもなんだか少し事件の匂いがする
「◯◯人」に当てはめる答えとして精彩を欠く
だから、「◯◯人」を考えるのはもう諦めることにする
とはいえ皆様、何か思い付いたらどうか我々にご提案下さい

なんかそういうの、結局、憧れてます

塗人とか

超羨ましいな